一人は賑やか

しーんと静まり返った真夜中に茨木のり子さんのこの詩をよく思い出す。


「一人は賑やか」 

一人でいるのは 賑やかだ
賑やかな賑やかな森だよ
夢がぱちぱち はぜてくる
よからぬ思いも 湧いてくる
エーデルワイスも 毒の茸も

一人でいるのは 賑やかだ
賑やかな賑やかな海だよ
水平線もかたむいて
荒れに荒れっちまう夜もある
なぎの日生まれる馬鹿貝もある

一人でいるのは賑やかだ
誓って負け惜しみなんかじゃない
一人でいるとき淋しいやつが
二人寄ったら なお淋しい

おおぜい寄ったなら
だ だ だ だ だっと 堕落だな

恋人よ
まだどこにいるのかもわからない 君
一人でいるとき 一番賑やかなヤツで
あってくれ

2コメント

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  • とろーりグミ

    2016.11.30 03:19

    @hiromixhiromixさん コメントありがとうございます。嬉しいです! 私もこの詩を知ったとき、茨木のり子さんのことがより好きになりました! 外出が出来ないことを分かってバングラに残ったはずなのですが、それでもやっぱりたまに不健康な気持ちになるときがありますね。 でも、今日はとっても気持ちのいい朝です☆
  • hiromix

    2016.11.29 22:31

    茨木のり子さんの詩は「自分の感受性くらい」と「わたしが一番きれいだったとき」の二つしか知らなかったのですが、この詩を拝見してますます好きになりました。詩集欲しくなった^ ^ なかなか外に出られない状況とのこと。近いうちに、パーッと気分晴れやかな日が訪れますように。

Dream