私は心がざわざわし始めると、決まって村上春樹さんの「村上さんのところ」を読みます。
(たぶん以前にもブログで紹介したことがありますが、この本は読者からの質問に村上春樹さんが答えています)
別にどのページをめくってもいいのですが、お気に入りのページ(回答)が幾つかあって、今日はそのひとつをご紹介したいと思います。
「ときどき、びょうびょうと、木枯らしが胸の中を吹き抜ける日がある」という読者から、「木枯らしをやり過ごすためのおまじないの言葉はありませんか?」という質問に対しての回答です。
※質問内容は端折ってます。
「僕は人生に寂しくなると、長野の小諸市動物園の雌ライオン、ななちゃんのことを思い出します。
僕はななちゃんの檻の前でずいぶん長い時間を過ごしました。じっと顔を見合わせながら。
ライオンが一人きりで小諸の動物園にいるというのは、ずいぶん寂しいことなんだろうなと思いました。
たぶん文化的にもあわないだろうし。
でもとても優しい目をしてるんですよね。ななちゃんのことを想いましょう。」
この本を読んでから、私もななちゃんのことを想う日があります。
優しい目をしたななちゃん、
会ってみたいです。
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